2024/12/24 インタビュー記事:大越史朗様_脳性小児麻痺の姿勢改善
姿勢
大越史朗様
普通に歩く幸せを取り戻すお手伝い
40歳を過ぎた史朗さん。脳性小児麻痺を患い、年々歩行が困難になっていきました。今年4月、主治医の勧めで、筋肉の緊張を和らげるために入院治療を受けることに。家族は、「少しでも改善の兆しがあれば」と期待していましたが、結果は予想外のものでした。
入院治療で直面した困難
入院中、史朗さんは3種類の薬を試しましたが、効果は一進一退。一つ目の薬では少し改善が見られたものの、二つ目、三つ目の薬では副作用が強く、食事もままならない状態に。体重は5~6kg減少し、歩くどころか起き上がる力も失ってしまいました。「期待していたのに、かえって悪化してしまって……家族としても本当に不安でいっぱいでした」とお母さん。
そんな中、退院後に友人の勧めで訪れたのが広島市中区にある「いとう薬局」でした。ここから家族の希望が動き出します。
いとう薬局での出会いがもたらした変化
1.小さなケアが作る大きな変化
6月中旬、いとう薬局に週一回のペースで通い始めた史朗さん。当初は補助なしで歩くことは難しい状況でしたが、薬局で教わった「脳への刺激マッサージ」を自宅でも毎日続けました。その成果が現れたのは通い始めて2ヶ月後の8月8日、歯科受診のため訪れた広島駅構内でのこと。
史朗さんは、自分の買いたいサンドイッチに向かって、一人で広い駅構内を歩くことができたのです。「まさかこんなに早く一人で歩ける日が来るなんて……本当に驚きました。ほんの一週間前にもホームセンターでの買い物中にも補助が減り、歩行が安定してきていることを実感し始めた時でした。本人の意欲と薬局のサポートが作り出した相乗効果だと思います」とお父さんは感動を語ります。
こうした小さな成功体験の積み重ねが、史朗さん自身のやる気を引き出し、さらに前向きな取り組みへとつながっていきました。
「本人のやる気が湧き出て、どんどん前向きになっていく姿を見て、本当に嬉しかったです」とお母さん。
2. 家族の不安を解消するサポート
「薬局では丁寧にセルフケアの方法を教えてもらい、家族みんなで取り組むことができました。疑問に対してもしっかり答えてもらえるので安心感があります」とお父さんは語ります。
3.家族全体に広がる好循環
自宅では、薬局で学んだ体操を親子で行い、スキンシップの時間を楽しむようになりました。「息子の硬かった体が少しずつ柔らかくなるたびに、家族全員の元気が湧いてくるようです」とお母さん。
いとう薬局で得られた安心と希望
史朗さんは「体を直すのは病院で」という強い信念を持っていました。そのため、最初にいとう薬局へ連れて行く際には、ご家族が少し工夫をして、史朗さんに事情を伏せて連れ出したそうです。しかし、薬局での親切な対応やリラックスした雰囲気に触れた史朗さんは、薬局を気に入ってくれました。それをきっかけに、2回目以降はご自身で進んで通いたがるようになり、毎週のように薬局でセルフケアを学ぶ日々が始まりました。「本人がここまで気に入るとは思わなかった」とご両親も驚きを隠せない様子でした。
また、史朗さん自身も「5本指ソックスを履き続けたら体が緩んで楽になった。今ではこれ以外は履きたくないくらいです」と、その効果を実感しています。