2020/01/06 膝関節の痛みの原因
ひざ
膝関節の痛みの原因は2つ、
①「関節の外側に起因する痛み」
②「関節の内側に起因する痛み」
に分けられます。
①外側というのは、簡単にいうと筋肉系統の痛みです。活動や負荷が自分の筋力を上回った場合に起こると考えられています。
②内側は軟骨、半月板、靭帯などが原因で生じる痛みです。
Q. 関節の外側に起因する痛みには、どんな治療法があるのでしょうか?
A. 関節の外側も内側も、3つの条件が合えばご自身の努力で解決が可能です。
①『大腿四頭筋(だいたいしとうきん:太ももの前側の筋肉)を鍛える』
②『膝蓋骨(しつがいこつ:お皿)をよく動かす』
③『足指を広げて 小股で歩く』
①太ももの前側の筋肉は膝関節を伸ばす筋肉です。お皿は太ももの働きを助けるのに、大切な役割を果たします。
②お皿の周囲は特に負担がかかりやすく、痛みが出ることが多いのです。その痛みのためにさらに筋力が低下する悪循環を引き起こしますし、お皿が固くなると膝の動きがスムーズにいかなくなくなりますから、よくマッサージ、ストレッチすることが大切です。
③『足指を広げて 小股で歩く』ことが大切です。足指を広げて小股で歩く訓練をしていれば、一ヶ月続けると痛みが楽になるのでおすすめです。
痛みを我慢して無理して歩くことはおすすめしません。
Q. なぜ痛みを我慢して歩かないほうが良いのですか?
A. 歩いて筋肉をつけることが治療にならないからです。
痛みがある場所だけに注目していては治りません。
まず、ご自身の足の形を確認ください。
あなたがもし危険状態の棺桶型で膝が痛いのであれば、
棺桶型の足をしている方の痛みは筋肉不足が原因ではありません。
体の使い方にムラがあるめに痛みが出ています。
形の崩れた状態の足で筋肉をつけると、バランスの悪い筋肉しかつかず、症状はさらに悪化します。
いい状態の足指にしていただき、痛くない状態にして運動をしていただくと、
痛くなく膝に水がたまらずに、改善していきます。
Q. 膝が痛いのは、膝が原因というイメージでしたが、必ずしもそうではないんですね。
A. 膝の内側が痛い場合と、外側が痛い場合では原因が違います。
外側が痛い場合は、筋肉不足が原因です。
一般的には、加齢でひざがすり減るなど、関節の変形が原因であると教わるので、膝に問題があると思い膝に注射する。しかし、原因は膝ではないのでまた痛くなってきてしまうのです。原因が別なのです。
例えば膝が痛くなる時、加齢が原因ならどうして左右両方が同時に痛くならないのでしょうか?
どちらかから痛くなるのが一般的です。
それは、使い方にムラがあるからです。
そのムラは、足指の変形が原因となり起こります。それが膝に強く関連している原因の一つと考えています。
Q. 関節の外側だけに問題がある場合に、先の3つの条件の実行が重要になるわけですね。痛みがなくなっても継続したほうが良いのですか?
A. 継続していただくのが一番良いのです。
先の3つの条件は
①『太ももの前側の筋肉を鍛える』
②『お皿をよく動かす』
③『足指を広げて 小股で歩く』
続けて欲しいのですが、せめて、ちょっと膝の調子が悪いなというとき、痛みが軽いうちに再開していただくと病院に行かなくても治ると思います。思い出したらやっていただくということをぜひお願いしたいです。
Q. それでは、関節内の主な疾患にはどのようなものがあるのですか? その治療法についても教えてください。
A. 変形性膝関節症が代表的な疾患です。
薬局では変形性膝関節症が主な治療対象です。(ほかには、大腿骨内顆骨壊死(だいたいこつないかこつえし)、関節リウマチなどがあります。いずれも膝関節の軟骨がすり減る疾患です。)
治療法としては、足指を広げるゆびのば体操と筋力のトレーニングをしていただきます。
加えて、靴や靴下のはき方をお伝えします。
その他に、痛み止め薬や漢方薬やコンドロイチンなどの栄養素補給で様子をみます。
それで痛みが楽になったり、ご本人が生活に困らなくなれば、手術をしないで経過観察します。
しかし、注射や手術を必要とする場合は病院をご紹介しております。
関節の痛みに対して、足指が広がると痛みが減るワクワクを体験していただけます。
Q. それほどに関節の状態の良し悪しは足指と関連があるのですか?
A. 足指はとても大切です。
整形外科医に行って、「膝が痛い」と伝えたら膝しか診てもらっていないことが多いです。
薬局で足指を見せてもらうと、「膝が痛いのに、足ゆびを見てもらうの初めてです」と驚かれることが多いです。
実は膝の問題の多くは、膝の異変は痛みで気づくのですが、痛みは体からの最後のサインです。
足ゆびが最初に崩れることで姿勢が悪くなります。ここで、姿勢が悪くなってもひざは痛くないからと放っておくとやがて痛みにかわります。足指の変形が原因で膝が痛くなります。
Q. 膝の問題が解決したのち、手術に最適の時期というのはあるのでしょうか?
A.基本的にはありません。
膝の痛みは生死に関係しませんので、膝がよほど破綻しているというようなことがなければ、手術の時期は基本的には患者さんに選んでいただいています。
Q. 素朴な質問ですが、手術をすれば必ず良くなりますか?
A. 手術だけして治るかたはいません。
手術をしてよくなったとお感じの方はみなさん 手術以外の方法も併用しています。
手術前にリハビリをしっかり行っている場合、手術はうまくいくとうかがっています。
しかし、すでに病院で手術しても痛みが改善しない場合は、足指を確認してもらっています。棺桶型で足指に問題が残ったままで手術してしまったことに原因があると私は考えています。
今手術を控えているなら、足に隙間が出来て足が末広がりに近づいてから手術をおむかえください。
Q. よくわかりました。ところで術後の痛みを心配されている方も多いのではないでしょうか?
A. 術後の手術による痛みはやがては消える一時的なものです。ご安心ください。
Q. 退院後の生活についてアドバイスをお願いします。
A.棺桶型の方は、積極的にゆびのば体操を行ってください。
薬局のアンケートでは、手術をされた方の足の形は棺桶型でした。
ゆびのば体操で末広がりのいい状態にしながら、筋肉をつけてください。
筋肉が回復して転ぶリスクも低減したら、積極的に歩いていただいて大丈夫です。
細かな注意点はそれぞれに違いますのでアドバイスを守っていただければ、よほど野蛮なことや衝撃の強いことでない限り、何でもどんどんやって良いと思います。
ゆびのば体操の方法はこちら→
*本ページは個人の意見であり、必ずしも全ての方にあてはまるわけではありませんので詳しくは主治医にご相談ください。